第35回受賞発表会

2023/12/16

 第35回受賞発表会と記念パーティーは2023年12月16日、東京・お茶の水の連合会館に、これまで最高の100名が参加して行われ、受賞された2個人1団体が講演しました。各受賞者には、正賞として多田謡子の著作「私の敵が見えてきた」と副賞30万円が贈られました。
 講演要旨は、後日発行予定の、ニュースレター第18号に掲載します。受賞理由は別紙をご覧下さい。


● 水戸喜世子さん ●

     (救援運動・反原発の闘い)

 水戸喜世子さんは、お連れ合いの水戸巌さんととも闘ってきた長い歴史への思いを述べられました。60年安保闘争からベトナム反戦闘争へ、10・8羽田闘争から救援連絡センターの結成、スリーマイルとチェルノブイリ後の反原発闘争、そして水戸巌さんとご子息2人の死。立ち直らせてくれた中国の貧しい少年たちのこと、そして、福島事故をへて、福島の人びと、福島の子どもたちととともに、今も闘い続けているという報告が、深く参加者の胸を打ちました。


● ホームヘルパー国家賠償訴訟原告団 ●

     (介護労働者の権利・生活とケア労働の尊厳を守る闘い)

 藤原るかさんは、大好きなヘルパーの仕事がなぜこんなに低賃金なのか、なぜ法律無視が横行しているのかという、疑問と怒りで国を訴えたこと、佐藤昌子さんは介護のために長い時間をかけて通っても、まったく移動時間が賃金に反映しない地方の実情、伊藤みどりさんは、ある日の自分自身の1日の労働も例にとって、労基法が無視されている実情を訴えました。「介護の仕組みを国が崩壊させている。この集会参加者、皆の切実な問題です」という訴えに共感の拍手が沸きました。


● 金城実さん ●

     (抵抗する彫刻家)

 金城さんは参加していた東京に住む若い親族たちを紹介しました。「本日はおおおじの受賞を知りお祝いに駆けつけました」。代表してあいさつした若い親族の言葉に会場は大いに盛り上がりました。復帰前、大学進学のため上京するときにパスポートをとらされたことからはじまり、苦労して大学に入った空手部の右翼学生が、沖縄を訪れた皇太子に火炎瓶を投げつけた活動家たちを全力で守る「抵抗する彫刻家」になっていく、長い人生を振り返る軽妙な語り、そして「反権力というのは、生半可なことではないんだぞ」という訴えに何度も拍手が沸きました。