第29回受賞発表会
2017/12/16
 
 第29回受賞発表会と記念パーティーは2017年12月16日、東京・お茶の水の連合会館に60名が参加して行われ、受賞された1団体2個人の皆さんが講演しました。各受賞者には、正賞として多田謡子の著作「私の敵が見えてきた」と副賞20万円が贈られました。
 講演要旨は、後日発行予定の、ニュースレター第12号に掲載します。受賞理由は別紙をご覧下さい。

● 全国一般東京東部労働組合メトロコマース支部 ●
     (非正規労働者の差別撤廃)
 メトロコマース支部の4名の皆さんは、それぞれ、労働組合運動と縁のなかった自分が差別の実態に気づき、闘いに参加してから今までの貴重な経験を話してくださいました。はじめてのストライキを前にした不安と闘いぬいた喜び。多くの仲間に支援された闘いの中で、これまで頑として動かなかった会社の姿勢を変えたときの驚きと喜び。差別撤廃を訴えた労働契約法20条裁判で、すべての差別を容認する不当判決が出たときの怒り。そして一審での不当判決に負けず、2000万非正規労働者の先頭に立って闘うという決意。大きな拍手が沸きました。

● 徐翆珍(じょすいちん)さん ●
     (民族意識を原点とした平和・人権の闘い)
 徐翆珍さんの長い闘いの原点となった保育園での解雇撤回闘争。在日の子供たちが多く通う保育園が大阪市に移管したとき、国籍条項によって解雇された徐さんは、その子供たちに、差別は仕方がないというメッセージを送ることはできないと考えました。幼子を抱え闘いぬいた1年半。勝利して国籍条項を撤廃してから約半世紀、差別を許さず、平和のために闘ってきて、今はどうか。露骨なヘイトスピーチが渦巻き、憲法9条への攻撃がいよいよ強まっている。果たして日本社会は変わったのか、という徐さんの問いかけを、参加者は皆、心に刻みました。

● 伊波義安さん ●
     (沖縄における反巨大開発、反基地闘争)
 伊波義安さんは、詳細な資料を作ってスライドを上映しながら、現在、沖縄が置かれている状況、民衆の闘いの状況について詳しく解説してくださいました。平和憲法が適用され、核も基地もない平和な島を望んで闘った復帰闘争。しかし、復帰後米軍基地はますます強化され、沖縄の人々は常に戦場と隣り合わせの生活を強いられています。辺野古でも高江でも、世界に誇る自然の宝庫が破壊され、負担軽減という嘘の陰で、着々と強化される米軍基地。一人でも多くの仲間が辺野古へ、高江へ、闘いに参加することを呼びかける伊波さんの発言に大きな拍手が沸きました。