【声明】 沖縄県警による宮城秋乃さん宅不当捜索に抗議します

多田謡子反権力人権基金運営委員会
2021/06/16

 6月4日、沖縄県警は沖縄県東村にあるチョウ類研究者、宮城秋乃さん宅を「威力業務妨害」の容疑で不当に捜索し、携帯電話、タブレット端末、パソコン、ビデオカメラなどを押収しました。
 宮城秋乃さんはやんばるの森のチョウ類を研究するなかで、北部訓練場跡地に、返還にさいして撤去されたはずの大量の軍事廃棄物が残されているのを目の当たりにし、自然を回復するために軍事廃棄物の完全な撤去を訴えてきました。今回の捜索は、宮城さんご自身が回収された軍事廃棄物を米軍基地のゲート前に置いて「数台の車両の入場を妨害した」ことが「威力業務妨害」にあたるというものです。
 危険な軍事廃棄物を旧訓練場に放置したまま責任をとろうとしない米軍、日本政府と、廃棄物を回収して米軍に返還するため、ゲート前に置いた宮城さんのどちらに非があるのかは明らかです。「威力業務妨害」などというこじつけで、廃棄物撤去、自然の回復を訴える宮城さんの活動を弾圧することは決して許せません。
 宮城秋乃さんは昨年、第32回多田謡子反権力人権賞を受けてくださり、コロナ禍の中での発表会に、活動の様子を記録したビデオメッセージを届けて、軍事廃棄物の撤去と森の自然回復を訴えました。
 当基金は、第32回多田謡子反権力人権賞受賞者である宮城秋乃さん宅への不当な家宅捜索に抗議します。

  1. 沖縄県警は捜索で押収した品物をただちにすべて返却し、不当な捜査を打ち切ってください。
  2. 日本政府と米軍は、北部訓練場跡地に残る大量の軍事廃棄物を完全に撤去して、やんばるの森の自然を完全に回復する取り組みをただちに始めてください。
  3. 米軍の軍事廃棄物が大量に放置されたまま、やんばるの森が世界自然遺産に登録されることに反対します。国際自然保護連合が軍事廃棄物問題を念頭に公正な評価を下すことを求めます。