第32回受賞発表会

2020/12/19

 第32回受賞発表会と記念パーティーは2020年12月19日、東京・お茶の水の連合会館に80名が参加して行われ、受賞された3人が講演しました。各受賞者には、正賞として多田謡子の著作「私の敵が見えてきた」と副賞20万円が贈られました。
 講演要旨は、後日発行予定の、ニュースレター第15号に掲載します。受賞理由は別紙をご覧下さい。


● 宮城秋乃さん ●

     (沖縄北部訓練場での軍事廃棄物撤去闘争)

 コロナ禍で、ビデオメッセージでの参加となった蝶類研究者の宮城さんは、貴重な自然、貴重な蝶の宝庫であるやんばるの森の米軍北部訓練場跡地で、米軍が放置した大量の軍事廃棄物を発見しました。毒性がつよく投棄が禁止されている大量の廃棄物の写真と美しい蝶の写真がスクリーンに映し出され、「返還された(?)」訓練場を今も米軍が使用している強い疑いのあることがわかりました。やんばるの森を守るために奮闘する宮城さんの訴えに大きな拍手がわきました。


● 青木惠子さん ●

     (冤罪との闘い、冤罪被害者支援の闘い)

 1995年、自宅の火事で娘を亡くした青木惠子さんは、保険金のために放火して娘を死亡させたという事件をでっち上げられ、無実を訴えながら20年投獄されましたが、再審で無罪を勝ち取って出獄しました。なぜ無実の人間が刑務所に行くのか? 取り調べた刑事はなぜ、同じ人間なのにあやまらないのか? なぜ平気でうそをつくのか? 一度冤罪になると取り返しがつかないことを命ある限り伝えて行きたいという青木さんの涙の訴えに大きな拍手がわきました。


● 北村小夜さん ●

     (天皇制・戦争との闘い、障害児・者の人権のための闘い)

 1925年生まれの軍国少女だった北村小夜さんは、戦後教師となりました。「できる子」と「できない子」に選別し、「できない子」を排除する教育が強化されていく中で携わった特殊教育の中で、北村さんは、子どもたちの言葉に教えられ、分けない教育の必要性、みんなが一緒に学ぶことの重要さを深く確信してきたと話しました。95歳の今も「障害児を普通学校へ・全国連絡会」で世話人をつとめている北村さんのお話に大きな拍手がわきました。